
霜が降り、やがて雪が降り、土の凍てつく冬が好きでなかった。
春から秋はその時やるべき事々が、私を動かす。
けれど草や大地が眠りにつく冬は、どう過ごせばいいのかとまどう季節だった。
それが、数年前から、特に何もしないというのもいいんじゃないか、
いや、むしろ大切かも、と思うようになった。
また、役立つとか益になるといった目的から離れて
面白そう、やってみたいと感じることをやってみるというのも素敵だなと思うようになった。
こうして、農閑期である冬は、他の季節とはまたちがう味わいのある季節となった。

私の心境はこのように変わってきたが、以前から変わらぬ冬ならではの楽しみがある。
薪割りだ。
薪を作るのが目的だが、割ること自体が、大好きだ。
寒い日でも薪割りをすれば直、身体が温まる。
ウチはガスを引いていない。
料理をするのもお風呂を沸かすのも薪だ。
薪は豊かさと暮らしの安心の象徴だ。
薪を割り、安心を積み上げていく。

貯えはたくさんある。けれど、大切に使いたいと思う。
薪を作る労力も大きいが、まず、木の育った年月を想う。
お金に換算できないものが、私を支えている。


去年、フロの浴槽が壊れた。お父ちゃん手作りの檜風呂だったが
5年位使ったところで漏れ始め、去年とうとう使えなくなった。
ウチは太陽熱温水器を活用している。沸かさずともシャワーから出るお湯でしばらくすごした。
けれど秋になり冬となり「やっぱりオフロ欲しいね」となった。
ここでウチに永く使わずに置いてあったどこかでもらった桶(漬物桶?)に光が当たった。ウチに来てからでも30年は経っている。
使えるかどうか水を入れてみた。
果たして、1滴も漏れない!
すごい!と感嘆の声が上がる。先人の仕事に尊敬の念が浮かぶ。
工作してボイラーを取り付けたら素晴らしい風呂桶となった。
山が貯えた水。太陽の熱。木々の熱。
それらの恵みが身体に沁み渡る。
ありがとう!おフロ万歳!
今年は”千年に一度”の「おフロ(026)の年」です。
ここで、なぞかけです。
風呂に入る とかけて
休日の中学生 と解く
その ココロは 「至福」です。
(私服)
薪割り とかけて
孫の話におばあちゃんがうなずく と解く
その ココロは 「爽快」
(そうかい)
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今日のライター:小掠純子
1967年生まれ。和合に住んで25年。

