長野県最小の公立小学校には教育の理想があった。

2026年4月15日

taokoshi

教員生活の最後の7年間は、長野県最小の阿南町立和合小学校(赴任当時全校児童10名)に勤務しました。そして、令和7年3月もって39年間の正規教員を退職しました。その時思ったことを綴らせていただきます。

奇跡の極小規模公立小学校

阿南町立和合小学校は、公立の小学校でありながら、全校児童10人(令和元年度、令和8年度は全校4名)の利点を生かし、一人一人の子どもの特性に合わせた教育を日々工夫して行っています。複式3クラス(1・2年、3・4年、5・6年)で当時5・6年を担任しました。理科は3・4年、5・6年。体育は全学年一斉で教えました。

柔軟な複式クラス編成

例えば、帰国子女で日本語が苦手な子や文字の読み書きの苦手な子は、該当学年ではなく、国語と算数だけ小1・2年の子たちと一緒に学習しました。ひらがな、カタカナ、漢字も初めからゆっくり丁寧に学習したことで、徐々に力をつけていきました。特に国語は、一斉授業では難しさがありましたが、先生方で研究を重ね、個別学習と共同学習をうまく織り交ぜて、一緒に学ぶ楽しさも大切にしました。この研究は信濃教育会の研究論文で最優秀学校賞をいただきました。思いだすのは、国語の物語教材「3年とうげ」「もちもちの木」「落語:時そば」「落語:まんじゅうこわい」などを劇にして学習発表会で発表したことです。これにより、国語力の違いを乗り越えて、日本語のすばらしさや楽しさを味わい、国語への興味や表現への意欲が増したことです。異年齢の友達との演劇体験もすばらしいものでした。

1人1実験 これはラボだ!

理科では一人1実験です。これこそ少人数の最大のメリット。自分で実験器具を用意して準備しひとりで実験します。理科室では、2学年が混在し、別々の実験を大学のラボのように行っていました。時には違う学年の実験に興味を持ったら「やってみたい!」というのもOK。中学校の内容まで興味関心が進み実験したこともありました。これも少人数個別学習のすばらしい所です。また、宇宙の学習では、保護者の協力により、夜の学校に集まり、皆既月食や星座の観察もしました。その時食べた夜食のカップラーメンが最高にうまかったと子どもたちは言っていました。天体望遠鏡を使って肉眼で見る月のクレーターや土星の環、木星の縞、火星の赤さなど神秘的なものでした。ネットや図鑑では決して体験できません。

全校いっしょの体育 これは路地裏のがきんちょ集団遊びだ!

体育では、全校一斉体育。つまり1年生から6年生までが一緒に授業をします。私は体操競技を学生時代やっていたので、器械運動は個別学習に適していて、自分のやりたい技に取り組めるように練習環境を整えたりして、最後には全校でミニ発表会。それぞれのレベルの技を精一杯演技し、拍手っ喝采でした。そんな中で、運動会のかけっこのエピソードです。普通かけっこは学年ごとにスタート地点が決まっており、同じ距離を走って順位を競います。しかし、和合小のかけっこは、スタート地点は自己申告と子どもたちの協議で決まります。運動会の目的は「全員が全力を出し切り、運動を楽しむ」ことですから、だれか一人でも「どうせ勝てないんだから、人前で走るの嫌だな。」と子どもが思わないようにすることが大切です。それぞれの子どもが今持てる力を全力出し切った時に、3コースの3人がゴール直前で2m以内になるように、練習から調整していきます。あまり短いスタートだと上級生から「〇〇ちゃんは、あと1m長くしようか。」と話し合いが行われます。その結果、どの子も本番で勝つチャンスが生まれます。平等とは努力すればどの人にもチャンスがあるということを保証することなのです。例えると、高い塀があり、背の高い人には向う側に何があるか見えますが、低い人には見えません。その時に低い人には踏み台を用意してあげれば全員が向う側が見えます。これが平等という考え方ではないかと思います。

和合小が放つキラキラ! 個別最適な学校

このように、異年齢、異条件、異環境などいろいろな場所から親子山村留学や移住でやってきた子が100%の和合小は、多様性の最先端を行く学校なのです。これは戦後、日本の教育が進めてきた大規模、同年齢、同質、同行動で少ない教師が大人数の子どもを効率よく教育してきた方向とは真逆の教育です。私は、新卒で全校1200人の長野市のマンモス中学校からスタートし、最後は全校5人の和合小で終わりました。小1~中3まで教えました。ここで感じたことは、教育とは最終的に一人一人を開放するものでなくてなはらないと感じています。いわゆる良い学校に行き、良い教師に教わったとしても、その子が持つ個性や特性が解放され、自分らしく思いっきりやりたいことに取り組める場所。そこがその人にとって最高の学校なのです。和合小学校はそんな場所を求めてきた保護者の皆様、子どもたちばかりです。

「先生がキラキラしてたからここに決めたんだ。」うれしい言葉

多くの生徒を掌握するために、細かい校則が作られたり、それを守らせることが目的になったり、大規模校では教師も子どもたちもストレスが多かった気がします。今、学校に行かれない不登校の子どもが過去最多、自分で命を絶つ子どもも過去最多という報道を聴きました。もし、この記事を読んで、興味を持った方がいらしたら、是非一度和合に遊びに来てください。日本の公立小学校でこんなキラキラした学校が、キラキラした先生たちが、保護者も地域の方も全員が家族のような学校があるなんて信じられないかもしれませんが、これは現実にあるんです!これはバーチャルでもフェイクでもありません。リアルに存在しているんです。思い切って体験入学に来てみてください。いつでも和合は皆さんを暖かく迎えてくれると思います。そして、この記事をお読みになった皆さんが、親子山村留学に来ていただくことで、奇跡の和合小学校が存続できたら、これほどうれしいことはありません。南信州阿南町の最もDeepJapanな和合小学校 親子山村留学&移住募集中 2026年もいつでも受け入れ中DeepJapan新野高原(長野県下伊那郡阿南町新野)のある阿南町には、最もDEEPな和合地区があります。 谷川の両側にあdeepjapan-niino.info

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今日のライター:S.K
平成30年度~令和6年度 7年間勤務 62歳 元和合小教員
移住支援団体 新野から☆元気にしまい会会長 
移住支援サイトDeepJapan新野高原を運営
https://deepjapan-niino.info/