
田畑の作業。山の整備。仲間とゆったり過ごす時間。地域行事への参加。などなど、、、、。
ここで暮らしていれば、楽しい時間は山ほどあります。
どれもこれも捨てがたい。けど、その中でも今一番ワクワク、ドキドキしちゃうのは素人大工仕事かなあ。
うちの小さな母屋は、ちゃんと開閉するドアも玄関もあるし、雨漏りもしない。
床は腐っていたけど、とりあえず直したし、水道も引いたし、問題なく暮らせる。
トイレや風呂、農機具置き場など、必要なものも順番に作っていった。
「これで充分」って言えばそう。
だけど、外壁はぺかぺかのトタン 内壁は3㎜ほどの化粧合板。断熱材はない。天井はペラペラ、湿気も強い。なんだか、あちこちから隙間風が入りむ、、、。
「これで充分」だけど、「もっと快適」でもいいんじゃないの?
断熱性があがったら、集める薪も半分でよくなるんじゃないの?
ずっと暮らす家なんだから、母屋のリフォームをしよう!
と決めたのは今から3年前。

まとまった作業が出来るのは、
田畑の作業やその他の仕事が比較的少ない時期。
壁や天井をぶち抜いて、しばらくの期間、外との境界線が無くても
命に別状がない時期。

と考えてゆくと、8月中旬から9月中旬の一か月間がいいかな。
うーん、一か月間かー。
なにせ、こちらは素人大工。段取りが悪いことにかけては自信がある。 たったの1か月間で、母屋すべてをリフォームをするのは到底無理。
だったら、
今年はこの壁。
来年はこっちの壁。
再来年は天井。
その次は床? その次はどうする? こんな感じで
ざっくり5か年計画でゆっくり、楽しみながらやってゆこう!
これが基本姿勢 その1
いままで、いわゆる「田舎暮らし」をしてきた中で身につけた、
・廃材(解体される家屋などから出てくる材料)を集める方法や
人の繋がり。
・廃棄材(ちょっとした傷やサイズ違いなどで捨てられてしまう材料)を
集める方法や人の繋がり。
・そのための材料じゃないけど、加工すれば代替品になる物の利用。
などなどを駆使して、出来るだけ「捨てれてしまうもの」「お金のかからない方法」で材料を集めよう。
これが基本姿勢 その2

時間がかかってもいいから、今の自分が出来る、丁寧できれいな、納得のいく仕事をしよう。
これが基本姿勢 その3
なにより、楽しくて、ワクワクしながら無理をしないで作業を進めよう。これが基本姿勢 その4
企画段階でかなりワクワクする。
ワクワクしながら、
「リフォーム5か年計画をするんですよ」
と言う話をあちこちでしていたら、
「うち、築10年ほどなんだけど、公共事業で引っ越しを余儀なくされたんです。欲しい材料を持って行っていいですよ。」
と言う話がやってきた。
公共事業の理不尽さを感じつつも、正直なところ、嬉しくて、ありがたい。おかげ様で、高品質なペアガラスを入手。
という訳で、まずは外壁から取り掛かる。
まずは壁を壊す。
こうゆう作業は壊しだす初めの一発目が緊張する。
「本当に壊しちゃっていいのか?今なら中断出来るぞ?」
と、ちょっと怖気づく。
けど、やり始めちゃえば覚悟が決まる。
「始めちゃったんだから、最後までやるしかない!」
ってなったら、こっちのもの。作業はどんどん進んでゆく。

ストックしたあった廃材の中からちょうどいい材を探して、サッシがいい感じにはまる枠を組んで、ペアガラスを設置。
透湿防水防風シートを貼り付けたら、かなりそれっぽい!
大工さんにとっては当たり前の事で、始まったばかりの事なんだろうけど、すでにかなり満足。
「やり切った感」すら湧いてくる。
これだけで「気分は最高!」になれちゃうのが素人大工の醍醐味。

断熱材は「スタイロ畳」という断熱材がサンドされた畳を使う。
これは、畳屋さんにお願いすると、廃棄品を無料で分けてくれる。
もらってきた畳は、現在、寝室に使われている畳よりも、よほど程度がいい。そこで、もらってきた畳を寝室に敷いて、寝室の畳を断熱材にした。
二重に嬉しい。
なんか、断熱効果ありそう! またもや嬉しい。

外壁はどうしようかなあ?
と思っていた矢先、常日頃、地域でお世話になっている方から
「山から切り出して、挽いてもらった板がずいぶん前からあるんだ。結局、使う予定がないから使うか?」
というありがたいお話がやってくる。
サイズを揃えて、厚みを揃えて、磨いたら、とても素敵な壁板になった。
地元の材木で外壁を貼れるなんて、思いもしなかった。
感謝です。

「古い倉庫を整理するから、あるもん持って行っていいよ。」
ということで、やってきた扉。
「今回も持って行く?」と、いつも廃棄材をくれる某材木屋さん。
「置き場がなくて、このままなら廃棄するんだけど、使う?」と言って、某大工さんがくれた床板。
「土壁が欲しいって言ってたけど、あそこの家、小屋を壊すらしいよ。」
というお得情報をくれて、交渉までしてくれた、また別の大工さん。
などなど、、、。

言い出せばきりがないほどに必要な材が集まってくる。
本当に、本当にありがたい。
たくさんの応援団に囲まれて、多くの人に支えられて、おかげ様のなかにいるんだなあと、実感しています。
素人大工仕事だけでもめちゃくちゃ楽しいのに、もっともっと深い所からやってくる感謝の中で作業が出来る喜びをひしひしと感じます。

そんな「おかげ様」の中で集まってくる材料を使っての作業なので、予定していた順番に作業が出来る訳ではない。
予定していたイメージとは違うところにたどり着くことも多々ある。
やってきた材料を目の前に「これをどこにどうやって使えば、役立つんだ?」と考えまくっているうちに時間だけが過ぎてゆくこともある。

だから、目指しているイメージや目標はあれども、設計図なんて書けないし、最初に描いていた予定からどんどん変わってゆく。
それがまた楽しい。そして、どうゆう訳か、結果的に予定よりいい感じになってゆく。
あれっ?
「これって、今までの歩みと同じなんじゃないかなあ?」
10年くらい前にこの地に移住してきた時から、いやいや、もっとずっと前から、
「大切にしたいと思っていること」
「自分がこうありたいと思っている事」はずっと変わっていない。
実現できたこともあるし、出来なかった事も沢山ある。
そして、その時々の出会いや状況やご縁の中で具体的な「暮らし方」はどんどん変わってゆく。
年を重ねていったり、体調を崩したり、子ども達が巣立ってゆく中でも、「暮らし方」は変わってゆく。
変わらないのは、いつだってたくさんの応援団に囲まれて、多くの人に支えられて、おかげ様のなかにいること。

そんな中で、本当に必要な事、やりたい事、出来そうな事、心地いい事を自問しながら、無理なく出来そうな方法で、身の回りにあるものを大切にして、ドキドキしながら、やってみる。
失敗したり、思ったような感じじゃなかったら、「それが解ってよかったよね。」って言って他の方法でやり直す。
こんな暮らしが面白いし、充実している。
すべてが思い通りに行くわけじゃないし、失敗することもある。
紆余曲折、時間をかけながら、「やってみたこと」「出来るようになったこと」が少しずつ増えてきたら、また新しい「やってみたい事」が現れる。「以前は出来なかったけど、今なら出来るかも」という気持ちも起きて来る。

リフォーム5か年計画もぼくたちの暮らしも、どこに着地するのかわからない。
「おかげ様」の中で、どんどん変わりながら、自分達らしい形になってゆくんだろうと思っている。
************
今日のライター:とき

妻と子ども6人家族で和合にやってきて10年。 3人は巣立っていったので、現在は3人暮らし。春になり、米と大豆を育てながら、素人大工仕事をしていると、あっという間に秋の収穫期がやってきます。冬は醤油搾りで近隣各地を回ったり、味噌を作っていると、また春がやってくる。そんな暮らしをしています。

